ダイバージョナルセラピー ②
ダイバージョナルセラピー 第二回です。
🐢亀戸サテライト 看護師の加藤真理子です🐢
今回は、訪問看護ケア中、実際の患者様の変化を実感できたセラピーを紹介します。
1️⃣構音障害でなかなか自発的な発語がない方、Kさん。
Kさんには学生時代からフランス文学に親しみ、オーケストラ🎻を聴きに行く仲間がいらっしゃるおしゃれな方でした。
オーケストラ演奏中は、どの楽器の音が外れリズムが遅れているかがわかるくらいの
絶対音感があり、仲間からも一目置かれる存在でした。
訪問時は言いたい事が言えず、怒りを表出される場面も多々ありました。
ところが、Kさんにフランス語の詩を持っていくとすらすらと読まれ、さらなる発語も見られました。
歌を一緒に歌うと音を外す事なく普通に歌え、ご自身が持っておられるCDを見せてくださいました。その後の発語の多さと笑顔は忘れられません。
2️⃣認知症で自発的な発語は全くないAさん。
以前、ホテルで社長の秘書をされており、
英文でのビジネスレター等を書かれている方でした。
その後、大学でホスピタリティの教授としても活躍されていました。
介入当時は殆ど発語はなく、笑顔だけが印象的でした。
ある日、英文のビジネスレター✉️の例文を持っていくと、
なんとスラスラと読んでくださり、発音のこれまた素晴らしいこと
ご家族も驚いておられました。
ピアノも趣味で弾いていたとお聞きし、
簡単な楽譜と小さいオルガンを持っていくと
楽譜を見ながら弾いてくださいました。
ご家族は色々と諦めていた事を後悔しておられました。
ダイバージョナルセラピーは、個人個人の背景や興味のある事をアセスメントし、
アプローチする事で、こんなにも自発的な行動が引き出せるのです。
ご本人もそうですが、何よりご家族がとても喜んでくださり
あれもこれもトライしてみようなど生活にもはりが出てきたようでした。
日本においてDT(ダイバージョナルセラピスト)は専門家として活躍する場はありませんが、
私は、訪問看護でのケア中、会話の中から少しずつその方を知る事ができDTとしてのアセスメントも可能です。
患者様の病気だけを見るのではなく、より楽しく自分らしく生きたい!老いることは楽しむこと!と思って頂けるよう日々関わっています。
オーストラリアでDTはチームケアの一員として活躍しています。
日本にもそんな日が来ることを願っています。
日本ダイバージョナルセラピー協会
URL http://www.dtaj.or.jp/
株式会社 ボンズシップ | 2024.11.28 12:06